叢生（そうせい）の概要
叢生とは、歯が重なって生えている状態です。乱ぐいとも呼ばれ八重歯もその1種で、日本人にも多く見られます。
この症状は、主に顎と歯の大きさのバランスが合っていないことが原因で起こります。顎が小さい、歯が大きいなどの理由で歯が前後にずれたり、重なり合ったりしてしまうのです。
叢生の原因
叢生の主な原因には、
以下のようなものがあります。
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顎の発育不足遺伝的な要因や、幼少期の食生活による影響で顎の成長が不十分な場合、歯が正しく並ぶスペースが不足し、叢生が生じやすくなります。
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乳歯の早期喪失虫歯などが原因で乳歯が早く抜けてしまうと、奥の歯が前にズレたり倒れたりするためスペースが足りなくなり、叢生が生じることがあります。
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親知らずの影響10代後半以降の年齢では智歯が生える際に、周囲の歯を押し出すことで叢生が生じることがあります。
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悪い癖（口呼吸・指しゃぶり・舌の癖など）長期間の指しゃぶりや口呼吸、舌で前歯を押す癖があると、前歯に余計な力がかかってしまい、叢生が生じることがあります。
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歯周病に罹患している場合、歯がグラグラになってしまい短期間に叢生が生じることがあります。
叢生が引き起こす問題
叢生をそのまま放置すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
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虫歯や歯周病のリスクが高まる歯が重なっていると、ブラッシングが難しくなり汚れが溜まりやすくなります。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。 -
かみ合わせの問題叢生がある場合、上下の歯が上手くかみ合わず食事の際にうまく噛めなかったり、顎関節症を引き起こすこともあります。
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発音への影響叢生が原因で、特定の音を発音しにくくなることがあります。特に「サ行」や「タ行」の発音に影響が出ることがあります。
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見た目の問題叢生がある場合、口元の見た目にコンプレックスを感じ、笑顔を見せるのが恥ずかしく感じる方も少なくありません。
叢生の治療方法と装置
治療方法
顎骨の成長を促すⅠ期治療
成長期のお子さんに限られますが、側方拡大装置など取り外しの装置で顎を広げたり前後方向に成長を促すことで顎自体を大きくし、歯が並ぶスペースを獲得する方法です。
永久歯抜歯を伴うⅡ期治療
主に小臼歯や智歯を何本か抜歯することで歯の本数を減らし、必要になるスペースを減らしたり奥歯の後ろへの移動によって叢生を改善する方法です。
永久歯の抜歯を伴わない
Ⅱ期治療
小臼歯を抜歯せず、歯列の可能な範囲での拡大、歯を僅かに削る、奥歯を後ろに移動するなどによってスペースを作って叢生を改善する方法になります。
治療装置
ワイヤー矯正
金属や白くコーティングされたワイヤーとブラケットを使って、歯を適切な位置に移動させる方法です。
細かい調整が可能で、さまざまな症例に対応できます。
装置を歯の裏側に付けるリンガルブラケット装置や上の歯だけ裏側に付けるコンビネーションブラケット装置などもあります。
マウスピース矯正
（インビザラインなど）
透明なマウスピース型の装置を使用する方法です。
目立ちにくく、取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。
拡大床（子どもの矯正）
お子様の場合、顎の成長を利用して歯列の幅を広げる「拡大床」という装置を使用することがあります。
これにより、永久歯が正しい位置に生えるスペースを獲得できます。
治療開始の時期
お子様であれば、6歳～7歳頃に一度矯正相談を受けるのが理想的です。
早期に治療を始めることで、顎の成長を利用しながら無理のない矯正が可能になります。成長を利用して十分なスペースが確保出来れば、永久歯の抜歯を防ぐことが出来ます。
大人になってからも矯正治療は十分可能ですが、成長が終了しているため大きく顎を広げたり、成長を利用して骨格のズレを修正することは出来ません。
また骨がしっかり固まっているため移動に時間がかかり、治療期間が長くなる傾向があります。
症例
| 開始年齢 | 33歳 |
|---|---|
| 主訴 | 八重歯と叢生 |
| 診断 | 下顎角の開大を伴うⅠ級叢生症例 |
| 抜歯 | 右下犬歯と他第一小臼歯3本 |
| 装置 | インビザライン |
|---|---|
| 期間＆回数 | 2年6か月＆15回 |
| 費用 | 873,000円 |
| リスク | 歯肉退縮、知覚過敏 |