セラミック矯正とは

セラミック矯正とは、歯の表面を削り、あるいは抜歯し、綺麗な歯列になるように整えられたセラミック製の被せ物を装着することで歯並びや歯の形、色を改善する審美歯科治療の一つです。

普通の矯正のように歯を動かす治療ではなく、歯を削って被せ物で歯並びを治す治療のため、通常の矯正治療とは大きく違う点があります。

セラミック矯正のメリット

①治療期間が短い・回数が少ない

セラミック矯正最大の利点が、治療期間が短いことです。この利点のため短期間で歯並びを治す必要がある有名人などにが多く治療を受けているようです。

セラミック矯正の治療期間は１～６か月程度で、多くの場合2か月前後で治療が完了します。通院回数も、多くの場合2回～5回前後ですみます。ただし歯を削る量が多いと、神経を抜く処置が必要になるため数カ月プラスになります。

通常の矯正治療は年単位になることが多く、歯を動かす治療として6か月から3年位かかり1年間に10回から12回程度の通院が必要になります。また動かす治療が終わってから、2年程度後戻りを防ぐ期間が必要になります。

②同時に歯の色や形の修正が出来る

被せ物の色を白く作ることで、患者様のご希望通りに歯の色を変えることが出来ます。ホワイトニングの必要がなくなり、通常のホワイトニングでは出せない白い歯にすることも可能です。ただし、元々の歯の色は変わらないため被せた部分と色のギャップが大きくなってしまうため、注意が必要です。

同様にすり減ってしまったり、元々の歯の形や大きさが気になる場合、限度はありますが修正が可能なこともメリットになります。

③本数が少なければ治療費が安く済む可能性がある

セラミックの歯は、1本5万円～12万円が相場とされています。一般的な成人矯正の治療費は、部分矯正で30万～70万、全体を治す場合60万～100万円と考えると、治療する歯の本数が数本程度であれば安くすむメリットがあります。逆に治療する歯が多い場合は、普通の矯正治療治療より高くなってしまうこともあります。

セラミック矯正のデメリット

①歯を削る・神経を抜くため歯の寿命が短くなる

セラミック矯正は歯を動かさずにかみ合わせを治すため、クラウンやブリッジと呼ばれる被せ物を接着することで歯並びを整えています。これらの被せ物を付けるためには、一定以上の厚みで歯を削る必要があります。一度削ってしまった歯は二度と元にはもどせず、健全な歯より確実に弱くなり、寿命も短くなります。神経が残っていても冷たいものが染みやすくなることも多く、神経を抜かなければならなくなることも多々あります。さらに、他の歯と比べて著しく歯の位置が悪い場合、被せ物ではカバー出来ず抜歯が必要になることもあります。

一般的にクラウンの寿命は約10年、ブリッジは7～8年と言われ、長く持っても15年程度と考えられます。少なくとも10年から15年後にブリッジやクラウンの再作成が必要になり、1回目の治療と同じ程度の治療費がかかることもデメリットと考えられます。