矯正歯科治療におけるリカバリー

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矯正歯科治療におけるリカバリー

2024年8月15日

マウスピース型矯正装置のリカバリー

 マウスピース型の矯正装置は透明なプラスティックなどで出来ており、装置自体は歯と接着しておらず、患者様自身が容易に着脱できる装置です。取り外せる装置であるため、歯磨きがし易い、食事の種類に制限がないなど色々なメリットがあります。その一方で、歯に接着しない装置であるため矯正力が逃げやすく、固定式の装置にはない欠点もあります。つまりマウスピース型の矯正装置特有の不得意な動きがあり、しばしば治療に影響を与えることがあります。

不得意な動きに対するリカバリー

インビザラインの写真

①捻れている歯を治すのが苦手

マウスピース型矯正装置は、装置自体が歯に接着されていないため、移動させるための矯正力が逃げてしまいやすい欠点があります。それを補うためにアタッチメントと呼ばれるレジンを歯に接着し力ロスを減らす努力をしていますが、それでも力が逃げてしまいます。そのため捻れている歯などを治すのは不得意だと考えられています。

薄くて平らな前歯は比較的良好に並んでいきますが、丸い形をしている歯は特に力が逃げやすく犬歯、小臼歯、大臼歯は捻れが治りにくいことがあります。何回か装置を作り直して改善するケースもありますが、上手く治らないことがあります。この場合リカバリーができなければ、最悪捻れは治らないままになってしまう可能性があります。

一般的な改善方法としては、捻れている歯とその前後の歯にマウスピースと併用してマルチブラケット装置やブライトブレースを付け、ワイヤーの力で治すことがあります。装置を歯に接着している装置では、矯正力が逃げることはなく、比較的容易に捻じれの治療が進んで聞きます。

普段からブラケットを使った治療を行なっているクリニックでは何も問題ありませんが、マウスピース矯正しか扱っていない場合は何度も再作成を繰り返すことになり、改善が難しい場合があります。

②奥歯が前に傾斜し易い

マウスピース型矯正装置で小臼歯を抜歯する治療を行うと、前歯を後ろに引っ張る反作用で奥歯が前に引っ張られ、前方に傾斜し途中の歯が噛まなくなってしまう(ボーイングエフェクト)ことがあります。ボーングエフェクトは舌側矯正でも起こりやすい問題ですが、マウスピースも比較的多く起こります。アタッチメントを大き目にしたり、下げていく前方の歯を一度に下げるのではなく犬歯を下げて前歯を下げてというように奥歯にかかる力を出来るだけ減らす工夫をする必要があります。

それでも傾斜をおこした場合、奥歯の目立たないところにブラケット、マニューバ―、ブライトブレースなどを付けて、比較的容易にに改善することが出来ます。

③奥歯が浮いて咬めなくなることがある

マウスピース型の矯正装置では、前歯は咬んでいるのに奥歯が浮いていてしっかり咬めないことがあります。これもボーイングエフェクトが関係している場合がありますが、奥歯が低くなってしまっているか、前歯の当たりが強いことが原因の場合もあります。

奥歯がひくい場合、かみ合わない部分に小さなボタンをつけて垂直やV字型にゴムをかけてリカバリーをすることが有効です。

まとめ

現在様々な矯正装置が使われていますが、万能な装置は残念ながらありません。

固定式のマルチブラケット装置においても、苦手な動きや時間がかかってしまう動きがあります。また患者様は一人ひとり異なりますので、口腔内の状態も千差万別です。お口の中が似た状態の患者様でも問題なく治療が進む方もいれば、上手く進まない方もいらっしゃいます。不測の事態に備えて、リカバリーの方法は多い方が安全ですから、マウスピース矯正の経験が多く、リカバリーのための別の治療方法に対応可能なクリニック選びが大切です。

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