矯正期間を短縮する方法

  • 027-381-6510
  • 初回カウンセリング予約 友だち追加

受付時間〉10:30‐13:00/14:00‐18:00 〈休診日〉木曜・日曜・祝祭日

ブログ

初回カウンセリング

矯正期間を短縮する方法

2025年1月17日

矯正歯科の治療期間を短縮する方法

矯正歯科治療は、美しい歯並びと健康的な口腔環境を手に入れるために重要ですが、治療期間が長いことが一般的です。通常、矯正治療には1.5~3年程度が必要とされ、多くの患者様がその長さに不安や不満を感じていることでしょう。そこで、今回は矯正治療期間を短縮する方法について詳しく解説します。

 

  


1. 最新技術や外科治療を活用する

矯正歯科の技術は日々進歩しており、治療期間を短縮するための新しい手法が数多く開発されています。

● 加速装置を併用する

  • オルソパルス(Ortho Puls)やPBMヒーリング:光加速装置とも呼ばれ、歯茎に近赤外線を照射することで細胞の活性化を促して歯の移動速度を高める装置です。1日に上顎10分下顎10分合計20分使用します。インビザラインでは通常1週間で装置を交換しますが、3日~5日での交換が可能になります。
  •  
  • アクセラデント(AcceleDent): 超音波振動を利用して歯の移動を促進するデバイス。1日20分程度の使用で治療期間を短縮できる可能性があります。

● 自己結紮型(self ligation)ブラケットの使用

  • デーモンシステムが有名ですが、ブラケットに対するワイヤーの固定を結紮線やモジュールを使わず、ブラケットの蓋で行う構造になっています。そのため従来の矯正器具と比べてワイヤーにかかる摩擦が少なく、歯の移動がスムーズになるため、治療期間を短縮できます。

● 外科的なアプローチを併用する

  • プロペル(PROPEL): 動かしたい歯周辺の骨に、小さなドリルを使って小さな傷(穴)を複数つけます。その傷が治ろうとする力を利用して歯の移動速度を高める治療法です。全体的な移動は出来ないので、動きにくい一部の歯を早く動かす目的に使用されます。
  • 全体的な歯の移動を早める外科的なアプローチとして、コルチコトミーやヘミオステオトミー(モディファイドオステオトミー)などの術式があります。これらは、歯と歯の間の歯茎の骨の硬い部分に切れ目を入れる外科手術により、歯の移動速度を高める方法です。手術自体は改良が進んでいますが、高い外科技術が要求されること、手術による腫れや痛みを生じること、矯正の治療費とは別に15万~50万程度の手術代がかかることがネックとなり一部の歯科医院で行われている方法です。

● インプラント矯正

  • 歯を移動する固定源として、歯茎にアンカースクリューというネジをうつ方法です。矯正装置以外に固定源を作ることで、より早く歯を動かすことが可能になります。ネジは細く小さいためそれ程目立ちませんが、せっかく打っても成功率は7割位といわれており、安定せず脱落してしまうこともあります。

2. 患者様自身の協力が大切

患者さん自身の協力も治療期間を短縮する重要な要素です。以下のポイントを守ることで、治療効果を最大化できます。

● 装置の適切な使用

  • マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)は、1日20–22時間の装着が推奨されます。
  • 指定された時間に正しく装置を使用することで、治療計画が遅れるのを防ぎます。

● 定期的な通院

矯正治療では、歯医医師による定期的なチェックが必要です。通院を怠ると、治療が遅れる原因となります。予約を守り、指示された調整を確実に受けることで治療期間が伸びなくてすみます。

● 良好な口腔ケア

矯正中は虫歯や歯周病のリスクが高まります。これらの問題が発生すると治療が一時中断される可能性があるため、以下のケアが推奨されます。

  • フッ素入り歯磨き粉でのブラッシング
  • 歯間ブラシやデンタルフロスの使用
  • 定期的なプロフェッショナルクリーニング

3. 治療開始前の計画が重要

矯正治療を始める前に、詳細で適切な治療計画を立てることも期間短縮につながります。

● 事前検査・診断の徹底

  • 頭部X線規格写真やパノラマレントゲン、CT画像、口腔内や顔貌の写真、模型、3Dスキャンデータを基に、経験豊富なドクターによる精密で正確な診断と治療計画立案により治療期間の短縮が可能です。
  • マウスピース型の矯正装置では3DスキャンデータやCT画像を基に、歯の動きのシミュレーションを行い、最適な治療プランを選択します。

● 適切な装置の選択

  • 患者様の口腔状態や生活スタイル、ご希望に応じて最適な装置を選ぶことで、効率的な治療が可能となり治療期間の短縮に繋がります。

4. 日常生活での注意点

矯正治療中の日常生活における行動も治療期間に影響します。

● 適切な食事

  • 硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避けることで、装置が破損するリスクを減らし、治療期間が延びることを防止出来ます。
  • バランスの取れた食事を心がけ、歯や骨を健康に保つ栄養素(カルシウム、ビタミンDなど)を摂取しましょう。歯や骨が健康でなければ、そちらの治療に時間が取られることになり、治療期間が延びてしまう可能性があります。

● 悪習慣の改善

  • 歯ぎしりや舌で歯を押す癖は、歯の移動を妨げたり歯並びを悪化させる可能性があります。
  • 必要に応じてナイトガードを使用し、悪習慣を防止します。

5. その他の治療短縮オプション

● 外科的アプローチ

一部のケースでは、外科的手術を併用することで治療期間を大幅に短縮できます。例えば、外科的矯正手術や歯槽骨の整形手術などがあります。

● 薬剤の使用および不使用

  • 特定の薬剤を使用することで、骨の代謝を促進し、歯の移動をスムーズにする研究も進められています。ただし、これらは専門家の判断に基づいて行われるべきです。
  • ロキソニンをはじめ、市販されている痛み止めはイブプロフェン系のものが多いですが、これらは 矯正治療による歯の動きを妨げる恐れ があります。カロナールなどの アセトアミノフェン系の鎮痛剤の成分は、矯正治療による歯の動きには関係しないため、処方薬がある場合は市販薬ではなくそちらを服用しましょう。

まとめ

矯正治療期間を短縮するためには、最新の技術を活用するだけでなく、患者様自身の治療への協力や適切な行動が欠かせません。さらに、日常生活での注意や歯科医師との密な連携も重要です。

治療期間の短縮を希望する場合は、まず歯科医師に相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。最新技術と正しい習慣を組み合わせることで、効率的で満足度の高い治療を実現できるでしょう。