こんにちは。アクア矯正歯科クリニック院長の田村です。
当院ではマウスピース矯正に力を入れているのですが、患者様かららよく言われる質問やフレーズがあります。
ほかの歯科医院で聞いたのですが、きれいに治らないって本当ですか?
治療費が高いと聞いたのですが?
治療期間が長くなると言われました。
などなど、全て実際患者様に言われたことです。
まず一番多いのが、きれいに治らないって本当ですか?です。
マウスピース矯正のパイオニアであるインビザライン治療は日本では2006年にスタートしました。
当初はマウスピースの材質が今より硬かったので痛みも強く、矯正力を持続的に作用させることも出来ませんでした。
歯の表面につけるアタッチメントと呼ばれる付加装置の種類も少なく、クリンチェックという治療計画を立てるコンピュータのシミュレーションソフトの完成度も今より低いものでした。
この頃はアラインテクノロジージャパンという名前だった会社自体も、永久歯の抜歯が必要な治療は推奨していませんでしたし、私も難しいと思っていました。
しかし技術の発展は凄まじいもので、治療技術は瞬く間に進化し、G3、G4、G5(ジェネレーション)と世代を重ねて2015年7月からG6が日本でも導入され、アタッチメントの種類や形態が大幅に進化し、ビックデータを分析して得られた情報からクリンチェックにによるシミュレーションの精度も向上した結果、第一小臼歯4本抜歯の治療が可能になりました。
すべての患者さんがスムーズに治る訳ではありませんが、多くの患者様で抜歯症例で大きな問題もなく治療できるようになりました。
治療毎にワイヤーをドクターがアナログで調整するマルチブラケット装置と比べて、インビザラインは調整自体がデジタルのため、適合が良い患者様の場合精度ではインビザラインに軍配が上がると思います。
次に治療費についてです。
マルチブラケット装置と比べるとインビザラインはとても材料代が高いのですが、1回あたりの診察時間が短くなり、診察毎のインターバルは長くなるため術者側からすると診療の大変さは減ります。
以前は東京でインビザライン治療は百数十万円位が相場でしたが、現在では数十万円のクリニックも見られます。マルチブラケット装置による治療との治療費の差も減ってきていると思います。
当院でもマルチブラケット装置とインビザラインの治療費の差は数万円です。
最後に治療期間ですが、難易度が高い患者様や、細部まで完全を求められる患者様はどちらの治療法でも時間がかかります。装置ごとに得意不得意はありますがインビザラインだから治療期間が延びるということはないと思います。
確かにインビザラインでは治しにくいケースもあります。顎の骨に埋まっている(埋伏)歯にはアライナーのみではアプローチ出来ないので、埋伏歯の牽引はマルチブラケット装置のほうが適していると考えられます。
しかし、開咬症例や遠心移動が必要な症例では、インビザラインの方が容易に治療を進められるケースもあります。
このように矯正装置や治療方法は日進月歩で進化しているため、数年前は難しかった治療内容でも最近では可能になっていることもあります。
最新の治療方法がすべての患者様にとって常に最善とは限りませんが、当院では患者様のご希望に出来るだけ沿う形で新しい治療方法や医療機器を取り入れていくように努めて参ります。